トラックなのだ(0063 コニーグッピー)

一輪車のタイヤって何インチか知ってます?昔のミニ(10インチ)よりさらに小さい8インチ。1本800円ほどで売られているそうです。安!

フロントはダブル・ウイッシュボーン、リヤはトレーリング・アームの4輪独立懸架にこんな小さなタイヤを履き、ミドシップにエンジンを積んだ2座のクルマが国産にあったんですよ。1961年発表。でもソイツはスポーツカーではなくてトラック。愛知機械工業(現在も存続)が生産・販売したコニーグッピーというクルマです。

タイヤも小さいのですが図体も小さく、全長は2565mm全幅は1265mmしかありません。

小さなクルマが大好きなボクとしてはいつも頭の片隅にチラチラしているんです。

太平洋戦争で叩きのめされた日本はGHQの占領下、必死に復興を目指していました。バイクや荷車が重宝されていましたがやがて3〜4輪のクルマへ。しかしごく一握りの大金持を除いて、とても乗用車どころではなくトラックが関の山でした。この頃に外車のオープンスポーツカーを目撃した歯医者の知人(昭和12年生)が「宇宙船か?」と思ったそうです。

そんな復興の重責を担っていたトラックですが、国土の小さい日本では軽トラック(軽トラ)が独自の発展をしました。1950年代後半の3輪軽トラが1960年代には4輪になり、その後もずっと発展を続けていて、今の軽トラは驚くべき性能です。

今回取り上げるコニーグッピーはそんな4輪軽トラがチラホラ出てきた時に当時の軽自動車規格の360ccより遥かに小さい199ccの空冷単気筒2サイクルエンジン(11馬力)に前進1速/後進1速のオートマティック・ミッション(!)を組み合わせてミドシップに搭載していました。

https://www.youtube.com/watch?v=09w9ODWtyxE&feature=youtube_gdata_player

https://www.youtube.com/watch?v=2DHXWhqXiRE&feature=youtube_gdata_player

トラックと言えど、最大積載量はわずか100kgです。荷物を運べるには運べますが、価格は225000円で安くもなく4645台しか売れず、1963年3月にその短い一生を終えます。オープンモデルもあったみたいですが?

さて、2シーター・ミドシップの軽トラ。まるでスポーツカーみたいなレイアウトです。ミドシップでなくてもエンジンを座席の下に配したキャブオーバー型もイイですね。

「軽トラなんてみんなそんなモンやろ!」と言いなさるな。確かにその通り、モノコックではなく独立したハシゴ型フレームも持っていますしね。だから軽トラの上屋を剥ぎ取ってカッコイイ2シーターのスポーツカーボディを載せたらソコソコ売れると思うんですけどねえ。

ほら、ホンダのSなんて軽トラのT360(国産初のDOHC)の双子車でしょ?